「晴久ー!
会いたかったわぁ。」

おいおいおいおい。
まさかの猫なで声って。
鳥肌がたったぞ……。
美子もあんな声だしたりするのか。

てか、晴久って監視の対象のやつじゃん。
そんなやつとどうして?

「ちょっ、晴久!
その不良美人とどういう関係なんだ?」

不良美人はともかく、私も同意見だった。

「あれ、雷雨。昨日言わなかったっけ?
この子が二週間前から付き合ってる僕の彼女だよ。」

開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。
もちろん、口が塞がってないのは私ではなく、雷雨とかいう方だ。

「どうも初めまして、雷雨さん。
私、山崎 美子というわ。よろしくね。」

「あ、あぁ。こっちこそよろしく。」

ふーん、恋人ねぇ……。
意外だな、美子はあんな細い人じゃなくて、もっと男らしいガッチリしたのがタイプかと思ってた。

それにしても晴久、だっけ?
暴走族とは思えないくらいほっそいなー。
細マッチョってやつなのかな。