『佐野たける』
私のケータイ画面にはそう書かれていた。
佐野たけるとは同じ小学校のうえに同じ
マンションに住んでいる。クラスはあっ
ちが1組で私が3組と離れてはいたが目が
合うといつも合図して佐野が猫の真似を
する。それが私たちのくだらない暗黙の
了解であった。
佐野は見かけによらずバスケを始めたら
しい。まあ運動神経が良くてなんでもで
きるからうらやましい。
しかしいきなりなんの用だろう。
開いてみるとそこには衝撃の一言。
『好きだよ。』
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