「松野〜 やっぱり私も、
ちゃんとお花見がしたいー! どうしても
車の中からじゃないとだめなの?」

私がそう言うと、松野は苦い顔をした。

「苺お嬢様は、高いヒールを
履いておりますし…なにより、
この人混みですし、お嬢様の身に
何かあってはいけないのでー…」

そうだよね、仮にも私は
『一般人』じゃないのだから。

「分かったわ。でも今度は松野も一緒に
ちゃんとお花見がしたい!」