そっと
唇が重なってから
味わうように
彼の舌が私の唇の間に入り込む。
身体の芯が熱く震えるような
そんな気持ちにさせられる。
壁にもたれていた二人の体制が崩れ
ズルズルと私達は床に落ち
彼の背中越しに天井が見えた。
彼の長いまつ毛が私の頬に重なる。
耳たぶを甘噛みされ
ピクリと身体が反応し
その様子に刺激されたのか
彼は深く甘いキスを繰り返す。
横たわった身体から胸元に手が伸びる瞬間
桜ちゃんが
寝返りを打つ
そこで
ふたり
我に返った。
「すいません」
田辺さんは自分の頭を押さえ
私の手を取り起き上がらせた。
「……いいえ」
蚊の鳴くような声しか出せず
何かを誤魔化すよう
私と田辺さんはベッドで眠る桜ちゃんをただ見ていた。
ずっと
ふたり
壁にもたれて
何も話さず
桜ちゃんを見ていた。
唇が重なってから
味わうように
彼の舌が私の唇の間に入り込む。
身体の芯が熱く震えるような
そんな気持ちにさせられる。
壁にもたれていた二人の体制が崩れ
ズルズルと私達は床に落ち
彼の背中越しに天井が見えた。
彼の長いまつ毛が私の頬に重なる。
耳たぶを甘噛みされ
ピクリと身体が反応し
その様子に刺激されたのか
彼は深く甘いキスを繰り返す。
横たわった身体から胸元に手が伸びる瞬間
桜ちゃんが
寝返りを打つ
そこで
ふたり
我に返った。
「すいません」
田辺さんは自分の頭を押さえ
私の手を取り起き上がらせた。
「……いいえ」
蚊の鳴くような声しか出せず
何かを誤魔化すよう
私と田辺さんはベッドで眠る桜ちゃんをただ見ていた。
ずっと
ふたり
壁にもたれて
何も話さず
桜ちゃんを見ていた。



