隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話


そしてバレンタインの前日。

夕食は片付けも楽に
すぐ食べ終わるカレーにして

食後には気合を入れて
チョコ作りに励む私と桜ちゃん。

なんせ量もいっぱい。

100均で買ってきた可愛いラッピング。
手作りのカードも上手にできた。

大量のガーナチョコを溶かして、生クリームを混ぜて……もう台所がチョコの香りで充満。

「お父さんはダメ」って
紀之さんには内緒にしたいらしく
彼は夕食も仕事部屋でひとりで食べ、下には降りてこれない。
ちょっと寂しそう。

このチョコの匂いでバレバレなのだが。

本を見ながら
ドデカい銀色のボウルを実家から借りてきて、湯煎に入るチョコは小さなお風呂のよう。

あとは
固めればいいのだな。

冷蔵庫に入るだろうか
いいや
入らなかったら実家を借りよう。

「もういいの?」
小さな身体で、大きなボウルを持とうとする桜ちゃん。

完成が楽しみでしょうがないらしい。

「もう少し待ってね」
そろそろいいかな?
本によるとあと3分ほどある。

大きなスプーンでチョコの堅さを確認しようとすると

「さくらがやる」って
元気に言い
元気に手を出し

それが

元気すぎて……。