心が温かくなり
彼の顔を見ると、彼は優しく微笑む。
紀之さんは優しい。
顔も声も優しくて癒される。
すると
「ちゅーしていいよ」
桜ちゃんの声で現実に戻る。
ふたりで驚き
桜ちゃんに注目すると
桜ちゃんは真面目な顔で言っていた。
「ちゅーしていいよ」
二度言うか!
大切な事は二度言いましょう。
じゃなくて。
花束持ってオロオロしてると
「ちゅーしなくても幸せだからいいの」
紀之さんはそう言った。
「そうなんだ。よかったね」
桜ちゃんは笑顔でそう言い
プーさんを抱っこして
部屋のぬいぐるみたちに紹介すると言い、二階に行ってしまった。
私は花束を持ち
「ありがとう」ってもう一度言うと
「いつもありがとう」って
彼はそっと唇を重ねた。
桜ちゃん
また降りて来ないかな。
うん。
どうやら大丈夫らしい。
「やっぱり、ちゅーした方が幸せかもね」
紀之さんは言い
もう一度、軽いキス。
しても
しなくても
幸せだよ私。



