ひな人形を明日
桜ちゃんと一緒に飾る約束をする私。
誰かさんより役に立つと思う。
冷蔵庫に張り付けてある行事のプリントを見ながら、色々考える。
忙しいなぁ3月。
冷蔵庫の扉が動いてプリントも動く。
「どうしました?」
彼がビールを取り出していた。
「色々忙しくて」
腕を組み真剣な顔をする私の肩に、彼は自分の顔をのせて一緒にプリントチェック。
「ひとつひとつ終わらせたら、何とかなりますよ」
さりげなく耳たぶを甘噛みして、ビールのプルタブを開く。
「紀之さん手伝ってくれる?」
「当然」
「“算数セット”のおはじきに、名前書いてくれる?」
返事がない。
「ホワイトデーのお返しは、それでいいから」
品物より行動でいただきましょう。
彼の背中を叩き
ビールを奪って喉に流し込む私。
よし!お名前付けはこれでオッケー!
まずは
ひな祭りと
ホワイトデーをクリアせねば。



