彼はソファに座ってる。

長い脚を組み
深く座ってもたれかけ
首を預けて目を閉じる。

お疲れのようだ。

気配を抑えて階段を下りるけど、彼は目を開け私を見る。

一瞬
怒られそうでビクリときたけれど

「桜は寝ましたか?」
彼はそう言い、自分の横をポンポンと叩く。

横に座れって事か。

どんな説教が待っている?
首をすくめて隣に座ると
強い力で身体を引き寄せしっかり抱き直し、私の背中と太ももの下を持って自分の膝にのせる。

ソファの上で
お姫様だっこ状態。

「郁美さんは知らないかもしれないけれど」

彼の香りが私を包み
しっかり抱かれて密着してる。

新婚さんといえ
付き合う期間が短すぎるから
まだドキドキする私。

「僕はすごく嫉妬深くて、独占欲が強いから」

宣言されて

キスされた。

「紀之さん……」

「絶対誰にも渡さない」

甘く深いキスに
身体も心も満たされる。

「……色々と……ごめん」
自分の額を私に重ね、重い声を彼は出す。

「私の方が悪かった」

私も謝り
そっと彼の胸に顔を埋める。

心音が心地よく耳に響いた。