隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話




 1時間後

我が家の庭にて

お花見開催なう。


達也にゲージを作ってもらい
チョコも桜ちゃんも大満足。

「お兄さんありがとう」

「可愛い桜ちゃんの為だ。俺の嫁になるか?」

「娘はやらない!」

桜ちゃんと達也と夫の会話。

それを冷たい目で見る
うちの実家のお父さん。

『お前は突然現れて、うちの娘をかっさらってったんだぞ。子持ちで自由業の翻訳家さんよぅ!』

背中に無言のそんな圧力を感じ
紀之さんの動きが止まる
顔色悪し。

「お父さんの作る【かき揚げ】が一番ですよね」

田辺紀之
ひきつり笑顔で実家から持って来てもらったかき揚げを口にするけど、それはお母さんが作りました。

「おじいちゃん。チョコだよ」

「おー。桜ちゃんみたいな丸くて可愛い目をしてるなぁ」

ヤーさん顔したうちのお父さんは、可愛い桜ちゃんに任せましょう。

綺麗な桜の下
庭にテーブルを並べ
ご近所さん達を呼んで楽しくお花見。

優しい風に揺られて
ピンク色の花びらが楽しそうに揺れている。

私は何度この桜を
門の外から眺めて元気をもらったか

今は門の中で
その美しくも優しい姿に癒される。

「幸せしてんの?」

賑やかな笑い声をあちこちで聞きながら、ドンと身体を押された。

幼なじみの銀行マンが、ビールを持って私に聞く。

「幸せだよ」

「あーそーかい」

両親もご近所も
達也本人も
私と彼が結婚すると思っていた。

そんな昔が懐かしい。