「でも、その……準備とか……」
ウロウロとする私をしり目にして
「僕がホームセンターで軽トラを返す帰りに、何か買ってきます。あとピザ取りましょう。ご近所さんにも声かけて、実家のお義父さんなら喜んで何か作って持って来てくれそうですよ。お義母さんの漬物もいいですね。達也さんがさっきヒマそうに歩いてたから手伝ってもらいましょう。買い物より先にチョコのゲージを組み立ててもらいましょうか。その間に僕が花見のセットします」
イキイキしてるし
「桜ちゃんの昼食を作るのに冷蔵庫を覗いたら、たくさん食材が入ってたので、私はサラダと揚げ物を作ります」
葵ちゃんまで
「さくらもてつだう」
桜ちゃんも?
あらあら
急に
お庭でお花見?
「葵ちゃん時間大丈夫?相川さん待ってない?」
人の家の家政婦さんを借りたので
相川さんに申し訳なくて
でも
葵ちゃんはしれっとして
「あーさっきからガンガン着信入ってるけど無視してますから大丈夫」
「いいの?」
「いつもの事ですから」
そうなの?
そうなのか
そのくらい強くならないと
へタレとは付き合えないのか
いや
勉強になるわ。年下の先輩。



