彼は怖い顔で
そのまま自分の足を私の足の間に入れ
私の身体の自由を奪う。
小さな箱が
グイグイと下降する
「あ……紀之さん……」
「黙れよ」
彼の唇が私の唇を味わう。
最初は優しく
そして激しく
口の中がひとつになり
溶けあって求め合う。
髪の乱れを気にしながら
息も乱れる。
チンと小さくエレベーターが音を鳴らし、扉が開く寸前に彼はまた扉のボタンを閉めて、最上階のボタンを押す。
上昇する小さな箱の中
甘く激しいキスをする私達。
最上階に到着しても扉を開けず
二人は顔を見合わせた。
「ごめん」
彼は言い
「私が『行こう』って言ったんだもん」
私は笑って彼に言う。
「怒ってない?」
綺麗な指が私のほつれた髪を直し
心配そうに彼は聞くけど
「レベルが違い過ぎて、怒るまでいかないから大丈夫」私は笑う。
これ本音。