「挙式はヨーロッパで行うから別にいいんですけど、その前に相手家族との食事会があるからって誘われて……どうしようかと……」
「どうしようって、弟さんの結婚でしょ。兄として行かなきゃダメだよ」
「だって……」
「だって何よ」
「……めんどくさい……」
こいつは
俺様どころかへタレキャラだ。
「出席が常識でしょ。それじゃ相川さんと一緒じゃん!」
ゴメン相川先生。
「あんなへタレた、だらしない男と一緒にしないで欲しい」
「同じ同じ。弟さんに恥かかせてどーすんの?」
「だって奥さん同伴ですよ」
「へ?」
「郁美さんも一緒に行かなきゃいけないのですよ。あんな家族の集まる場所に郁美さんを連れて行って、嫌な思いをさせたくない」
セレブな人達との食事会。
いや
たった三時間くらいだろう
なんとかなるさ。
「私は大丈夫だよ行こう」
「テーブルマナーとかありますよ」
「ネットで勉強する。てか、紀之さんが嫌がるから、私は紀之さんのご両親しか会ったことないし。これを機会に皆さんにご挨拶したいよ」
必死に言うけど
彼は嫌な顔をして
「いや……やめましょ」って否定的。
私はカーッと頭に血が上り
「行く!絶対行く!大丈夫だから行く!田辺家の嫁として頑張るから行く」
そう宣言して
彼は折れて
二週間後の日曜日
桜ちゃんはお留守番で2人出席となる。



