「ちがうよ桜ちゃん。桜ちゃんのお母さんは、桜ちゃんの事が大好きだよ」

「ほんとう?」

「うん。本当」

ねぇドラえもん
桜ちゃんの所に遊びに来てよ
信じると本当になる道具が欲しい。

「いくちゃんはさくらがスキ?」

「大好きだよ」

「さくらも大スキだよ」

桜ちゃんの涙を指で払うと、桜ちゃんはニッコリ笑う。

「でもいちばんスキなのは、さくらのお父さんです。だからお母さんよりお父さんといっしょがいいの」

「そうだね。桜ちゃんのお父さんは、とってもとっても喜んでるよ。桜ちゃんの事が大好きだもん」

「うん」

私が笑うと
桜ちゃんは目を閉じる。

つかれたでしょう。
ゆっくり休んだらいいよ。

もう大丈夫。
桜ちゃんのお父さんは
桜ちゃんを守る為
きっと彼女と闘ってる。

絶対彼は桜ちゃんを手放さないから。


もう

大丈夫だよ桜ちゃん。

私は可愛い小さな存在を胸に抱きながら

一緒に


眠りに落ちてしまった。