私が彼女に会ったのは
水曜日の午後だった。
今度は赤いBMW
口紅と靴の色に合っていた。
偶然買い物に行こうと思い、外に出ると車が敷地から出て、サングラスをかけた横顔を見てしまったから走り出す。
BMWに勝てるわけないけど、サンダル姿で走る。
当たり前に差は開き
見えなくなるかと思ったら、派手な車は近くのコンビニで停まり、機嫌も悪く彼女が車から出てきた。
「恥ずかしいから追いかけないで」
怒ったように言われた。
田辺さんとの話が上手くいかなかった表情。
私は息を切らして彼女の前に行くと、彼女は嫌な顔で小さなバッグから煙草を取り出す。
すると
そこからひらり
見覚えのある物が出てきた。
ピンク色した折り紙。
桜ちゃん手作りのアサガオのネックレス。
特別なピンク色した折り紙は、彼女の使い勝手が悪そうなブランド品の中で折れてぐちゃぐちゃになっていた。
「邪魔だわ」
イライラ顔で彼女はネックレスを手に巻き付け、コンビニの燃えるゴミ箱に捨ててしまった。
「何をするんです」
私は驚き
ゴミ箱からピンクのネックレスを探して手にする。
ぐちゃぐちゃになってる
きっと
桜ちゃんからもらって
ろくに見もしないで
この小さなバッグに詰め込んだのか。
「桜ちゃんが一生懸命作ったんですよ。捨てるなんてひどい」
どんな気持ちで作ったのかわからないの?
「きちんと見てあげました?お礼を言いました?その場で着けてあげました?」
「他人がうるさい」
きつい口調で私に言う。



