まずは
どこから
どうすればいいのだろう。
前途多難は理解できる。
「いくちゃん」
日曜日の午後。
コンビニにアイスでも買いに行こうかと思って外に出ると、桜ちゃんと田辺さんが出ていた。
「どこにいくの?」
桜ちゃんはいつものニコニコ笑顔で田辺さんの手を離し、私に駆け寄る。
あらあら
手を離された田辺さんはちょっと寂しそう。
「ちょっとそこまで。桜ちゃんはどこに行くの?」
「みなみちゃんのおうちにいくの。たこやきパーティーをするんだって」
幼稚園のお友達の家だっけ
そういえば近いって聞いた
田辺さんが歩いて送るんだ。
「郁美さんも付き合いませんか?」
「いくちゃんもいこう」
桜ちゃんに手を引かれ
三人並んで歩き出す。
桜ちゃんは真ん中で大はしゃぎ。
「まんなかっていいね」
大人びた口調が可愛らしくて笑ってしまう。
そうだね
普通は両方にお父さんとお母さんがいるけど
桜ちゃんは
真ん中ってないんだもんね。
じんわり気分を吹き消すように
桜ちゃんは幼稚園のお友達の話とか、流行っている遊びとか歌とか一生懸命教えてくれた。
私も必死で歌を覚えようとするけれど
妖怪ウォッチのゲラゲラポーだけでいっぱいいっぱい。
難しいな。



