嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~


その言葉を聞いた途端、頭を何かでガツンと殴られたような衝撃が走った。

これまでずっと示してきたのに、エリカには何一つ伝わっていない。

「…なんだろうな」

自分でも恐ろしい程低い声が出て、エリカの身体が一瞬にして強ばった。

俺の方こそ教えてほしい。

お前の心はどうしたら手に入るのか。

どうしたら初恋の男を全部追い出して、俺が入り込めるのか。

今まで吐き出せずにいた感情が、どんどん黒く塗りつぶされていく。

それはずっと心の奥底にあった仄暗い感情が、一気に噴出した瞬間だった。

「…きゃあっ…」

ワンピースを下からたくし上げて、中のショーツにまで一気に手を伸ばす。

エリカが嫌がるのを無視した俺は、ほとんど無理矢理全ての衣服を剥ぎ取っていた。

「やめて…っ、翔太…!」

自分の意思とは関係なく高められていく身体に、エリカは固く目を瞑りながらやめてと懇願する。

でもそんな声は、怒り狂った俺の耳に全く届いていない。

指先一つで顕著に反応する身体を、ただ夢中で蹂躙していく。

「やっ、やぁ…!」

足の付け根に顔を埋めた俺の頭を、細い指が必死で押し返してくる。

腰を押さえつけてそれを制すると、エリカの身体は、地上に打ち上げられた魚のように大きくしなっていた。