妖精と彼







早く追い返そうとすると、トウくんはまた泣き出した。






「やだやだー!帰りたくないー!何なのこのシスコン姉弟ー!」





トウくんが部屋の奥に逃げ込んだ。
姉さんのベッドに勝手に座り込み、最終的にはベッドの上で暴れ出した。






その様子をソファに座った姉さんがウンザリした目で見ている。
そして、姉さんが俺を手招きした。




俺は姉さんの足元に近づく。






俺が近付いたのを確認すると、姉さんが質問をしてきた。





「…ねぇ、何なの?この妖精…」

「……姉さんが知らないものは俺も知らない。」

「嘘でしょ!?他にも妖精見たことあるでしょ?」

「あるけど、こんな変なのは初めて見たよ」







普通の声で話しているけど、トウくんの騒ぐ声がうるさすぎてヒソヒソ話のようになっている。







ただ、あの地獄耳には聞こえたらしい。





「愛くんヒドイ!!変なのって!それに悠ちゃんも!」





泣きながらこっちに噛み付いてくる。
もう、こうなってしまったら……放置するしかない。