「ごめん、悠ちゃーん…でも愛くんが怖いんだよー」
「はぁ?怖い…?愛が?」
情けない声でトウくんが姉さんにそう訴えると、姉さんはこちらに視線を移した。
俺を見ている。
俺も、姉さんを見つめる。
しばらく見つめあった後、姉さんは首をかしげた。
「……愛の何が怖いの?いつも通り可愛いじゃん。ってゆうか、施錠済みの部屋に入ってくるアンタの方が怖いんだけど。」
その言葉を聞いて、トウくんの顔は一気に歪み、ブワッと泣き出した。
……まぁ、姉さんだったらそうなるだろうなぁ。
泣き出したトウくんの涙腺は崩壊したらしい。
…ガチ泣きしていた……。
…面倒なヤツだな、と一番に思ったけど、ここに延々いられた方が遥かに面倒だ。
さっさとお引き取り願おう…と心に決めた。
「……トウくん、さっさと家に帰ってご飯でも食べて、さっさと寝れば?あさってくらいに元気だしたら?」
「…ねぇ、愛くん。それって冗談?本気?あさって元気だしたらって何…?」
「俺は冗談なんて言わないから。早く帰ってご飯食べなよ。」



