妖精と彼









俺は、目の前の女の子をジッと見た。






色白な肌に、薄いピンクのワンピース。

ふんわりとなびくこげ茶色の長い髪。

大きな目に、小さめな唇。ピンク色の頬。






それは、とても美しい女の子だった。



ただ、俺には分かる。








この子は人間じゃない。








目の前の女の子も、同じように俺を見つめていた。







「……………」
『……………』






お互いに気まずい無言が続いたものの、俺は家に帰っている最中だということをふと思い出した。





女の子も何も言わないし、用事はないのかもしれないと思い、女の子に背中を向けて帰り道に戻ろうとした。





その瞬間、女の子の焦ったような声が背中側から聞こえた。








『あ…っ!あの…!』




「………?」






話しかけられた自覚はあったので、俺は振り返る。


俺が振り返ると、女の子は嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔は、有名な画家の描いた絵のように華やかで、とても美しかった。






しかし、その笑顔が見れたのもほんの一瞬。
女の子は、不安そうな顔をしている。



そして、口を開いた。