拒否したら、殴られる。
抵抗したら、斬られる。
だから、私は、この焔で、人間を追い詰めるの。
それが決められた道で、それは一生逃れられないものだろうから。
まるで檻のような。


――――

「いやいやいや、意味わかんないから」

「それはあれか?
自分は馬鹿ですって言ってんのか?」

「ちげーよはげ」

手を組み、壁にもたれかかっていたセルリアは、自分が見た事ない少女を連れてきたリヴィアスを睨み、そして少女の傷を癒しているさくらにわけわかんない、と小さく呟いてみせた。
不安げに二人が蓮華を連れて帰ってくるのを待ってたら、なぜか真っ白いものを抱えたリヴィアスが現れ、それに加え蓮華を殺そうとしていた奴、と言うではないか。
連れてきた理由を何回聞いても納得できるわけがない。

「さくらも!
こんな治癒して起きたあと襲ってきたらどうすんのよ?」

「だから。
宝石の呪いを解いたから、もう襲ってくる筈ないの」

「そんなのわかんないじゃんか!」

皆馬鹿じゃないの、と叫ぶセルリアに、リヴィアスは呆れた顔をして口を開く。

「なんでそんな警戒してんだよ、お前らしくない」

「だって…」