ORANGE SNOW

その様子に恐れを感じたのか、兵士は後ずさるがセルリアは逃がさないと言わんばかりに近づいた。
そして不適な笑みを浮かべる。

「あたしが風使いってわからなかったみたいね。
馬鹿だわ、あたしを殺したかったら100人くらいで一気に襲わせないと」

そう言ってごす、と用なしと言わんばかりに兵士を蹴りあげると、兵士から離れたきらの手を引っ張った。
すぐに気絶した兵士に「情けないわね」と笑いきらを抱えると、きらはセルリアを驚いて見ていた。

「おねーさん、強い」

「こいつらが弱いだけよ」

兵士を足蹴にする様子にきらは可笑しそうに少し笑った。
が、すぐにその笑みは消える。

警報器が、屋敷中に鳴り響いていた。

本当に100人くらいきそうな状況にセルリアは舌打ちをするときらをぎゅっと抱き締め―部屋を飛び出した。