ORANGE SNOW

「意図が読めない。
護衛のはずなのに娘は痣だらけで幽閉されてて、依頼主―親は何も言わない。
まったく読めない」

かさかさ、と紙を漁ると同時さくらはため息をつくとセルリアに言う。

「とりあえずまだ様子見してて。
依頼と別方向、もしくは危なくなったら逃げていいから」

「う…ん…」

さくらの言葉にセルリアは曖昧に返事して唸った。
何かが、納得いかないのだ。

なぜ貴族の一人娘でいずれ跡継ぎになる存在を、こんなとこに閉じ込める?
なぜ暴力を奮う?
なぜこんな異常な数の人形がある?

答えは何も出てこない。
ふと少女を見るとセルリアに飽きたのか、数個の人形を宙に浮かし戯れていた。
異常ながらも年相応なのは変わらなかった。

「…あれ、待って」

人形が、
宙に浮いている?