―・・・じゃらっ
「!」
と、鈍い音が響きセルリアは足を止めた。
するとポツポツ、と淡い赤い炎が宙にあらわれあたりを綺麗に照らし始めた。
よくよくそれを見てみれば電気型のろうそくが宙に吊るされており、それより衝撃だったのは灯りによって露になった部屋だった。
―無類の人形が、部屋中をうめつくしていたのだ。
それは女の子が好くような西洋人形から始まり、可愛い見た目をしたくまなどの人形、そして男の子が買うような飛行機の模型やロボットも含まれていた。
一部の人形は目がとれていたら綿がはみ出ていたり、黒で統一された部屋に妙に馴染んでゴシックの雰囲気を出していた。
あまりの異様さに思わず息をのみ、どこからか視線を感じ思わず体を強張らせる。
ゆっくりと見回すと、人形の中に紛れて、鎖に繋がれた酷く小柄な形に黒髪、そしてこの黒で統一された部屋の中で唯一白色のドレスで着飾った人形が、じいっとセルリアを見ていた。
