ORANGE SNOW

「子供ながらに出来る仕事は全部した。
それでもらえるお金やご飯を蓮華に食べさせて、私は残ったものを食べて。
でもね、親がいつまでも帰ってこない時がきたの。
1ヶ月」

「1ヶ月?」

涙を抑えるように話すさくらの頭をリヴィアスは撫で、手を握り締めるとさくらは顔を上げ、頷いた。

「1ヶ月、帰ってこなかったの。
家の電気も水道も全部止まった、途方にくれた、死ぬしかないと思った、そんな日の朝にね」

静かに首を振り、悲痛な声で、目の前のいつもは陽気な少女が、苦しそうに叫ぶ。





「両親の死体が玄関に無造作に置かれてたの、赤く血で濡れた白いマントと一緒に」