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『おうち、ないの?』
一般市民のみすぼらしい街の中、一人の少女が誰にも気付かれる事もなく地面に座り込んでいた。
少女の服はぼろぼろに汚れていてまたその姿も酷く痩せほそっていて、話しかけた黒い服を来た修道女は酷く心配そうにかがみこんだ。
『…ない』
消え入りそうな声で少女は答え地面を見ていた顔が修道女に向けられた。
修道女はそれに向かって、優しい笑みを浮かべた。
『あらあら、可哀想に。
あなた、年齢と名前は言えるかしら?』
修道女の問いに少女は答えようと一度口を開いたが、すぐに閉じ何かを考えたかと思うと、すぐに口をあけた。
