だから、普段は図書室なんて行かないし、本も借りないのに、今は口実を作ってここにいる。
そんな気がした。
「はぁ……」
いったい私は、なにをしてるんだろう。
そっとため息を吐き、クルッと振り返って、自分をごまかすようにもう一度本を探し始める。
おもしろそうなの、ないかなぁ。
本の背表紙。題名が見えるところを、ひとつひとつ探していると……。
ひとつ、ピタッと目に留まる題名があった。
『タイム・リープ』
……え。
その言葉にドキッとして、思わず目にとまった本に手を伸ばしていた。
シンプルな表紙で、惹かれる要素はあまりにも少ない。
だけどその単語が、どうも私の心をとらえてしまったようだ。
私はその本を持って、すぐに図書室にある椅子に座り、1ページ目を開く。
