「じゃあなー」
「ばいばい」
そして、委員の生徒が図書室から出て行くのを確認すると、私はまた本を探し始めた。
ん〜、ないなぁ。
別に、本当はもう帰ってもいいんだけど……。
私はチラッと、窓の外に目をやった。
図書室から見えるグラウンド。
昇降口から出てくる生徒達が、ここからはよく見える。
窓があいてるせいか、部活をしている人たちのかけ声が聞こえてきた。
陸上部の人達が走ってるところに、ある人の姿を探す。
それは航。
「…………」
もしかしたら私は、航と沙奈が帰るところを確認しようとしているだけなのかもしれない。


