「どこでもいいでしょ。ちょっとした買い物だよ」
「じゃあ俺が部活終わるまで待ってろよ」
「…………」
それは、無理。
それこそ、また同じことが起こってしまいそうで怖いじゃん。
なにも言い返せず、うつむいてしまった。
「おい、未歩」
すると航が、また呼びかけてくる。
私はしびれを切らし、顔をあげた。
「航には関係ないじゃん。ほっといてよ」
「はぁ？お前なに言ってんだよ。こっちが気にかけてやってんのに、なんだよその態度。ムカつく」
……なによ。元はと言えば、航のせいじゃん。
人の気も知らないで。
ああもう、イライラしてきた。
