【完】時を超えて、君に会いに行く。


やっぱりこの広い背中を後ろから見つめると、おっきくなったなぁと思う。



「今日の部活はどうだった?」



なんとなく、航の様子を伺うように話題をそらした。



「んー、最近調子いいよ」



「お。ホントに?」



「タイム伸びてきた」



今きっと、前を向きながら得意げに笑ってるんだろうな。


ここからじゃ見えないけど、幼なじみの勘ってやつでわかる。



航は陸上部に所属していて、短距離も長距離も得意。



私はたまに、そんな彼を美術室からこっそりと見ていたりする。



……走ってる航は本当に楽しそうなんだ。



そしていつも、部活が終わったあとは私と沙奈のいる美術室に迎えに来てくれる。



沙奈がいるときは、だいたい3人で帰ることが多い。



だから航は、今日沙奈がいなかったのに、私が美術室にいたから、余計に疑問を抱いたのだろう。