「もしかして秘密ごと?俺にも言えない?」 いや、沙奈は知ってるし……別に言えないことはないけど……。 でもやっぱり、ちょっと恥ずかしい。 ……まぁいっか。 この際だし、彼方にも言おう。 迷った挙句、そう決心した。 「……小説」 「小説?」 「うん。 私、小説書いてるの」 すると彼方は一瞬目を見開き、「へぇー」と関心したような声をあげた。 「すげぇな。自分で物語書いてんの?」 興味津々で、私を見つめ聞いてくる彼方。 この人……整った顔してるから、見つめられるとなんか恥ずかしいな……。