小説……書きたいなぁ〜。



書きかけの物語をしまい、新しい原稿用紙を手に取る。


そして、インクがもうすぐてなくなりそうな万年筆を持った。




そうだ。


この万年筆を、金曜日に買いにいかなければいいんだ。


そうしたら私を追いかけてきた航は、私を助けなくて済む。


車にひかれなくて済む。





たぶん私は……



……あの金曜日から、帰ってきたんだ。




定められた〝未来〟を変えるために。




きっと……そうに違いない。



勝手にそんな確信を持った。



そんなとき。