「では、お食事でもしながらお話しましょうか」
「はい」
そう声をかけて、どちらともなく席に着いた。
それにしても、この人……今日だけとはいえ、担当が突然変わったのに驚かないんだな……。
もっと動揺してもいいと思うのに、まるで私が来ることを最初からわかってたみたい。
なんて、そんなのあり得ないけど。
「本日は誠に申し訳ございませんでした。沢上さんより後に来てしまう羽目になってしまって……」
早速、謝罪の意を込めて、申し訳なさに頭を下げる。
「気にしないで下さい。今日がすごく楽しみで、早く来てしまっただけですから。
それに、上原さんは遅刻されてませんよ」
顔を上げれば、本当に楽しみにしていたんだとわかるくらいに嬉しそうに微笑んでいる沢上さんがいた。
落ち着いた態度。
いつも作家さんと初めてお会いするときは、相手の方がガチガチに緊張していることが多いのに。
チラリと時計を確認すれば、確かに時間には間に合っている。……ギリギリだけど。


