【完】時を超えて、君に会いに行く。





予約席まで行くと、先に来ていた沢上遥さんの後ろ姿が目に映った。


だけど、その姿に違和感を感じる。




……あの人が……?




「こちらのお席になります」



手のひらでその席を示す店員さんは、ぺこりと軽くお辞儀をすると、すぐに立ち去った。



すると沢上遥さんは、私に気づき、振り返って席から立ち上がる。



「こんにちは、初めまして。沢上遥と申します」



……しまった。



先にこちら側からあいさつしなければいけないのに、先に作家さんにあいさつさせてしまった。



頭の片隅でそんなことを思っていたけど、私は内心、驚きが隠せなかった。



だって……。




「……すいません。本日、山田が私情によりこちらに出向けなくなりましたので、急遽、代行させていただきました。上原未歩と申します」



「あ、そうなんですね。では、上原さん。よろしくお願いします」



沢上遥さんが、男性だったなんて思わなかった。