ゆっくりとまぶたを開けると、目尻に溜まっていた涙が頬を伝ってこぼれ落ちる。


窓から入る夕日の光が、眩しく感じた。


思わず目を細めながら、ドアの方へと振り向く。



「……っ」



時が止まった。


目頭がさらに熱くなり、鼻の奥がツンと痛む。


突然すぎて、心の準備をしてなかった。

いっぱい、言ってやりたいことがあったのに。

文句とか、言いたいことがたくさんあったはずなのに。


いざ、目の前にすると、何を言っていいのかわからなくて、言葉が出てこない。



「……未歩」



だけど確かに、涙の向こう側に彼方がいた。