緊張していたぶん、一気に力が抜けてしまった。 思わずホッとしてしまう。 ……でも、せっかく勇気出してきたのになぁ。 矛盾な気持ちが交差する。 この時間帯はリハビリじゃないから、いつも必ず彼方は病室にいたのに。 リハビリの時間、変わったのかな? 一応、彼方がどこにいるか確認をするため、ちょうど廊下を通った看護師さんに声をかけた。 「あの、すいません」 「はい。どうしましたか?」 「ここの病室の一瀬彼方って、今、リハビリ中ですか?」 「えっ、彼方くん?」 看護師さんの表情が曇った。