知らない間に、航は先に大きくなってたんだね。



「最後まで追いつけなかったなぁ……」



すっかり見えなくなってしまった航の姿を、探してしまいそうになった。


……もう、いないんだ。



またまぶたの裏が熱くなる。



でも泣かない。大切な幼なじみが背中を押してくれたから。



小さな頃からずっと一緒にいた。一緒に過ごしたかけがえのない時間。



お昼寝したり、近くの公園で遊んだり、晩ご飯を一緒に食べたり。

ケンカしたことも、笑いあったことも、全部全部、全部……覚えてるよ。



「航……」



……私の、初恋でした。