「あそこって図書室だよね?だったら先生じゃない?それか居残りしてる図書委員とか……」


「あ、なるほど」



それも十分に考えられるよね。


なのに、なんでだろう?


彼方の後ろ姿が見えたような……。



いやいや、気のせいだよね。


だって彼方は今、病院で入院中だ。



もうずっと会ってないから、脳が勝手に想像を作り出したのかも。


怖い怖い。




「未歩、行くよー」


「あ、うん!」



ボーッとしてたあたしは、沙奈のその声で我に返り、再び歩き出した。