私はためらいながらも、目の前のドアに手をかけた。


そしておそるおそる、ゆっくりとそのドアを開ける。


静かな病室には、ドアを開ける音が余計に響いた。



「っ」



目に映るのは、あまりにもキレイな朝日と……。


ベッドから上体を起こして、朝日をバックに優しく微笑んで私を見つめる彼方の姿。


……儚いほどに、キレイだった。



「かな……た……」



もう一度、名前を呼ぶ。


すると彼は、嬉しそうに笑った。



「やっぱり、未歩だった」




……あぁ。


どれだけこうなることを望んでいたか。



どんな日でもいい。


だから、次に私が目を覚ましたときに……



……どうか君が、笑っていますように。