全てを話し終えると、彼方はしばらく無言のままだった。
やっぱり、信じてもらえない……か。
たぶん、こいつ何言ってるんだろう?とか思ってるに違いない。
そう思うと、彼方なら信じてくれるとさらけ出してをしまった自分が、無性に恥ずかしくなった。
「時間をとってまで変な話してごめんね。でも、こんなの信じなくていいから」
矢継ぎ早にそう言った。
「根拠もないのに、こんな話、信じろっていう方が難しいよね」
「……そうだね」
彼方はあっさりとそう答えた。
「すごく話はおもしろいけど、未歩の話し方がイマイチ。
噛みまくりだし、どもってて、話のおもしろさを半減させちゃってるよ」
ククッとおもしろそうに、彼方は笑ってみせた。


