「……悪いけど俺、今日は沙奈に話があるから、ふたりで帰りたいんだ」




……?


誰……?




「……ほ? ……未歩!」



私を呼ぶ声に、ハッとした。



……え?




目の前には航がいる。


教室の前の廊下で、なぜか私と航が向かい合う形になっていた。



「俺の話聞いてたか? ……って、おい!」



グラッと体が傾くところを、咄嗟に航が支えてくれた。


まただ……。また、頭が割れるように痛い。



高熱のときよりもヒドイ吐き気が、私を襲う。



……なにこれ?