やっぱり好きだ。

中西くんのこと。

こんな私にも目を向けてくれる。

「中西くんっ!」

「ん?」

「こ、これ。よ、よかったらもらってください!」

私はラッピングされたチョコを渡して、必死に言い訳する。

「あ、あのね、私、お菓子作るのとかすごく好きで、たくさん作ったから…」

そこまで行って、私は回れ右してダッシュした。

もちろんそんなに早くはない。でも…

少しでもその場から離れたかった。

振られるのも怖いけど…、

何より恥ずかしかったから。