「あいつ、今日怪我で練習できないから、話し相手なってやってよ。」
「へっ⁈」
私の驚きの声も聞かず野崎くんは部活に戻ってしまう。
それと入れ替わるように中西くんがこっちに少しびっこをひいた足で歩いてくる。
「神倉。サッカー部見に来るなんて珍しいね。」
「え、そ、そうかな?ぁ、中西くん、足、大丈夫?」
私の話から話題をそらさないと、なんだか、恥ずかしい。
「あー、足?バカしちゃった。」
へへっと笑う彼の顔はそんなに困ってなさそうで、ついつい突っ込みたくなる。
「朝はそんなびっこひいてなかったよね。」
ぁ、ストーカーっぽい発言しちゃったかな⁇
そう思われたら嫌だな。


