あたしは一人、何時ものカフェで彼氏を待ってる。

さっきまでは親友、藍がいたけど、藍が藍の幼馴染の、彰吾に呼び出されてからはあたし一人。

あーぁ、暇だなぁ…。

さっきから、一人で紅茶飲んで、ずーっと、漫画読んで、その繰り返し。

ここの店長とは仲良いから、長い間いても文句言われないし。

まぁ、正しくは、バイトしてる孝文を通して仲良くなったんだけど。

はぁ、流石に二時間近く紅茶だけで粘るのは失礼かなぁ。

「すいませーん。」

適当に店員を呼ぶ。今日は、バレンタインだから、かなり、バイトの人が少ない。

うん、大抵いつもいる人たちばかりだから、みーんな知り合いだし、お客もあたし一人。

「萌乃ちゃん、今日は一人なの?」

「ううん。龍臣待ってるの。ぁ、カウンター行ってもいい?」

「いいよ。カウンターでみんなでおしゃべりでもしようか。んじゃ、みんな休憩しよー。」

店長が、バイトの人たちに声を掛ける。

お客さん、萌乃ちゃんだけだから、いいよね、なんて、可愛い顔で言うから、あたしも頷いちゃう。