「彰吾ぉ!」

玄関のインターホンなんかならさずに大声で叫ぶ。

「チャイム、おせよ。」

と言いながら、ウチの背後から悠々と歩いてくる。

まぎれもなく、彰吾。

「あの、ね。」

「なんだよ。」

「好き…。彰吾が、好き。」

ウチはそう言うと、チョコパイを押し付ける。

いつもなら恥ずかしくて、彰吾には、チロルチョコでいいでしょー?なんて言って、買ってきたチロルチョコ一個だけしか渡さなかった。

だから、少し驚いてるみたい。

「これ、うち1人で作った。兄貴に呆れられながら、一人でがんばったよ。」

顔を上げてニヘラと、笑う。

こんなの女の子らしくないかも笑