家から学校までが近いとはいえ、さすがに、2時に寝たのはキツかった。

肌の調子も悪いし、メイクも乗らない。

クマを隠すだけで必死だったし、授業中は、寝落ちしそうになるし。

「帰るよ、藍!」

「うん。」

眠い目をこすりながら、親友に答える。

学校を出たところで、チョコ交換。朝は他のクラスメートとか、他のクラスの友達にあげようと、二人で約束したんだ。

「はい、バレンタインー♡」

くっ、いつもながらレベルの高いものを作ってくれるな…ウチの親友よ…

「はい、ウチからも!」

「あ、チョコパイじゃん♡美味しそー!」

へへ、実は彰吾の分以外は兄貴に手伝ってもらいました、なんて…


言えないっ!

いや、うん。仕方ないよね。

兄貴の方が料理うまいもん。

あいつ、料理の専門学校行ってるもん。

うん、だから仕方ない!