どちらからともなく、顔を見合わせて笑う。

「ブラウニー、また作ってよ。」

「もーやだよ。また不恰好、なんて言って笑うんでしょ。形が歪だって。」

あたしは、少しそっぽを向く。


「こっち向けって。」

「やだ。」

「いいから、向けって。」

慌てて、顔を、羽佐間に向ける。

おでこに軽い衝撃が来たかと思うと、羽佐間の顔が目の前にある。

「ふぇ、その、あ、え?」

「また、作ってよ。なんでもいいから。」

「…うん。」


あたしたち、恋人一年生。


たくさん思い出作ろうね…。

羽佐間…じゃなくて、祐也…。