「やっと一人で作れるようになったんだ。」

「ぅ…」

ニコニコしながら、羽佐間は酷いことをいう。確かにやっとだけど…。だんだんあたしの頭が下がって行く。

「形も歪。」

「ごめん。」

「でも…う、嬉しい。」

え?あたしは勢い良く顔を上げる。

同時に、髪が揺れる。

「ず…ずっと、待ってたんだ。松野さんのことだけ。」

あたしだけ…待ってた?

「音楽室で待とうかとも思ったけど…なんだか、狙ってるみたいだから、嫌で。」

あたし、これって期待していいってことだよね。

だって…こんなにも、羽佐間の顔真っ赤なんだもん。