急いで、階段を上る。今は17:36
絶対間に合うと思う。
でも、四階までの階段を一気に駆け上る。
息が切れるのも、スカートが変な形になるのも気にしない。
いや、気にすることができない。
ノロノロと上がってたら、会えないかもしれない。
「羽佐間っ!」
音楽室のドアを開けると同時に叫ぶ。
羽佐間…あんた探しに来たんだから。
あんたのこと…好きなんだから。
その言葉を叫ぶ前に異変に気づく。
音楽室に羽佐間がいない。
「君、松野里美さん?」
「は、はい。」
先輩らしき人に声をかけられる。
「これ、羽佐間から。」
カメラを持ってるあたり写真部なんだろうなって思いながらも、手紙をもらう。
『保健室。』
…⁈保健室ぅ⁇
一階までおりろってか⁈
あの鬼畜め…
捕まえたら絶対一言言ってやる!


