いるかな?いるかな?
「羽佐間…どこにいんのよ…!」
朝言ってたんだ。羽佐間。
俺にチョコを渡したいって人は18:00までにチョコを渡してって。
逃げずに同じ場所で待ってるからって。
どこか、隠れられる場所なんだってことはわかる。
だから決して簡単じゃない。
あれ?瞳だ。
「瞳!今から渡すの?」
本当は、そんなのわかってるけど、あえてあたしは聞く。
「うん。」
頷く親友にあたしは、頑張ってねっ、と声を掛ける。
プレッシャーかけちゃうかな⁇そんなことないよね⁇
北グラウンドの方へと走り去った瞳に背を向け、あたしはあたしで探し出す。