「シカトなんてひどいなぁ。神倉。」
「ご、ごめんね。」
だって、私チョコ押し付けちゃって。
「これ、俺のこと好きってことでいいの?」
私が渡したチョコを私の顔の前で見せる。
「う、うん。」
私は頷いた。
本当はきちんと言いたかった言葉言えないみたい。
「ごめん。俺、今すぐには気持ちに応えられない。でも、気持ちは嬉しい。」
そっか…。そうだよね。中西くんモテるから選び放題だよね。
「俺さ、人を好きになったことまだないんだ。まだ、意味がわからないんだ。」
「え?」
私はとっさに顔を上げる。中西くんは、少し笑ったような困ったような顔のまま、話を続けた。


